専門学校2年のときに妊娠が発覚して、二十歳で出産しました。
卒業時に、実は別の美容室から内定をもらっていたんですが辞退して、産後一年くらいは子育てに専念しました。
なるほど。
すぐ働き始めるつもりではいましたが、子育てしながらアシスタントとして数年後のデビューを目指すとなると、結構先が長いな…と。
それで、美容師免許を活かしつつ、なるべく早く稼げるアイリストを目指してみようと思って、この道を志しました。
そうだったんですね!
そうなんです。
子育てしながら、限られた時間でできることを現実的に考えた結果、この選択に至りました。
今はこの仕事が好きですが、実は当初はあまり興味がなくて…(笑)。
「早くお客様に入って早く稼ぎたい」という理由が一番でしたが、練習しはじめたら、すごく楽しくなってきて…。
うんうん、その感じとてもわかります!
実は最初の修業期間は、うちのサロンじゃなくて別のサロンだったんです。
そこである程度技術を覚えて、デビューできるようになったんですが、そのときはまだ子どもの保育園の入園には程遠いタイミングで…。
でもとにかくすぐにでも働きたい!という気持ちが強くて、なんとか働ける方法を探していたときに「託児所完備、子どもを預けつつ仕事ができる」というサロンを見つけて、見学に行きました。
それが「ヘアリゾートAi」との出会いです。
なるほど。
見学のときに、社長とお話がする機会があって。
社長から「もう美容師は諦めたの?」って聞かれたんです。
「諦めたわけじゃないですし、今もなりたいですけど、でも現実的に厳しいと思います」と伝えたら、「それなら、アイリストと一緒にやっていけばいいじゃん」って。
うちは、アイサロンと美容室が一緒になっているところがほとんどなので、メインはアシスタントでアイリストとしても経験を積んでる人もいるし、逆にアイリストをメインにしながら、空いた時間でヘアの方にも入る、という人もいますよね。
せっかく美容師免許があるので、両方に関われる可能性があるのは、大きな希望ですし、可能性が広がりますよね。
そうなんです。
「そういう可能性があるんだ!」って、そのときはすごく驚きました。
でもまずはアイリストとして売れていくために、最初はアイに専念したかった。
勤務時間も限られるから、最初から両立するのは難しいことはわかっていたので、「まずはアイリストでデビューして、稼げるようになってから美容師を考えてもいいんですか?」って聞いてみたら、「全然いいよ!」って言ってくださったんです。
ここならアイリストとして稼ぎつつ、自分のやりたいことも探っていけるかも!と思って入社して、もう8年になりました。
アベさんは、どんなきっかけでアイリストに?
私は最初はアシスタントとして入社して、半年後くらいにアイリストに移行しました。
美容師の仕事も好きだったんですが、営業時間は結構長めだったし、アシスタントがキツく感じた時期があって。
しんどかったときは、「いっそのこと辞めて全然違う仕事に転職しようか」とも思ったんですが、アイリストの先輩の働きかたを見てて、いいなと思い始めて。
周囲からも「やってみたら?」って言われて、そっちに切り替えてみました。
なるほど。
私がアイリストになったばかりの頃はまだマツエクが主流で、最初はマツエクがメインだったんですが、その後まつげパーマも増えていって…。
最近はアイブロウもかなり多くなりましたよね。
コロナ禍もあって、ここ数年のアイ業界はかなり変わってきましたよね。
そう、それで気づいたんですが、多分私、ずっと同じことをやるよりも、いろんなことどんどん挑戦していくことの方が好きなタイプなんですよね。
会社としても、社長が新しいことに寛容で、こちらからの提案にもかなりスピーディーに対応してくださったりして、テンポ良く新しいことに挑戦できて、今はすごく楽しいです。
新しい技術をどんどん覚えていけるのは、確かに楽しいです。
それこそコロナ禍で、一時お客様が激減してしまったときにも、ドライヘッドスパの立ち上げにも関わらせてもらいました。それまでのアイのお客様以外にも、客層がぐんと広がりました。
その後、長引くマスク生活で目元の印象の大切さが認識されるようになると、眉毛も注目されるようになって…。
眉毛専門店がオープンしたのは、その頃でしたよね。
そう。
社長に「眉毛をメインでやっていきたい」と話しました。
それまで練習用に使っていた店舗が、練習以外は空いていてもったいなかったので「あのお店を使って、専門店をつくってはどうでしょう?」とプレゼンしました。
眉毛専門のサロンって当時まだ結構少なくて、価格帯も1時間で5000円前後のイメージでしたが、うちは30分で3000円、低単価でも短時間にすることで、お客様にとっては通いやすい価格で、でもトータルの売上は確保できると思いました。
これまで眉毛を特に気にしてこなかった層も取り込めるんじゃないかな、と。
そう社長にプレゼンをして「やらせてほしいです!」と伝えたら、「いいね!」って即答で。
社長へのプレゼンから、オープンに至ったんですね。
そうなんです。
プレゼンして、すぐに決まって、そこからオープンまではかなりのスピードでした。
さっきも言ったみたいに、いろんなことに挑戦したいタイプなので立ち上げはすごく楽しかったし、自分のアクションがきっかけで眉毛専門店をオープンさせてもらうことができて、とても嬉しかったです。
私は、性格的に今やってることに飽きるタイプではないんですが、「できることは増やしていきたい」と思っているので、そうやって新しいことが始まっていくのは刺激的だなと思っています。
実際に眉毛専門店として始めたことで、客層が広がりました。
これまでは女性メインだったのが、男性もかなり増えて。
入客できる幅が広がったことで売上も上がり、結果的には自分の給料も上がりました。
給料については、頑張った分、対価として返ってくる実感があるので、モチベーションにもつながりますよね。
私は同世代のみんなとはちょっと違って、自分の生活があって働ける時間が限られているなかで、どんなことができるか?というところが、今最大限挑戦させてもらえてる状態で、とてもありがたいです。
今、吉橋さんはどんな雇用形態なんですか?
時間に融通がきくように、パート社員として入社しました。
入社当初は、1日4〜5時間の短時間勤務で、週3回とか。そんな感じでした。
でも私自身、仕事好き人間なので、そこからどんどん時間を増やして、今に至ります。
実は最初は、指名料とかのバックも、パートは対象外だったものがいくつかあったんですよ。普通だったら「まあ、そういうもんだよね」って諦めるんですが、社長とか幹部はちゃんと私のことを見てくれていて、指名料とかバックの設定を見直してくださって。
そうそう。
「会社の利益が良くなればいい」じゃなくて、スタッフ一人ひとりの給与が「どうしたら上がるか?」ってところを、すごく考えてくれる会社ですよね。
そうなんです。
実力や努力に見合う対価を検討してくださるところもそうですし、私なんてパートなのに、その後リーダー、そして今はマネージャーという役職もいただきました。
雇用形態に関係なく、結果を出せばいろいろな仕事を任せてもらえるのが、とても嬉しかったです。
そしてその役職に対してもしっかり手当がつくように、給与システムから見直してくださったのは本当にありがたいなと思いました。
そうそう。
「こうすればもっとあなたが稼げると思うよ」という話をしてくださいますよね。
勤務時間や、売上や指名状況に見合った、一番いい状態に合わせて給与を設定してくれる感じですよね。
そういえば最初、パートだし勤務時間も短いしで、保険には入れなかったんですが、そのうち時間数が増えてきて「保険入りたいんですけど」って言ったら、「もうこんな働いてるしすぐ入るね!」って速攻で対応してくださって…。
なんというか、雇用形態とか条件とか、給与もそうですけど、「会社の規則だから」で一括りにしないで、「私」を見て判断してくださっているのがとても嬉しかったです。
これからもずっと「挑戦」し続けていきたい
この会社で、自分ができる仕事をもっと増やしたい。
会社に貢献できる仕事を見つけて、挑戦させてもらえたら嬉しいなと思います。
社長のビジョンはきっといろいろあると思うんですが、その一つでもいいので、手助けができたらいいなと思っています。
確かに。
私も、何かお手伝いできることがあるといいなと思います。
社長って、すごく頭の回転が早いですし、決断もとても早くて的確。
私たちの提案を真摯に聞いてくださったり、夢を叶えてくださったり。それを的確に判断しながら一緒に考えてくれるので、とても心強いです。
わかります。そのあたりも、私たちの立場で話してくれますよね。
普通の会社の社長って、会社の利益を最優先しがちだと思うんですけど、うちの社長はスタッフへの還元を最優先に考えてくれていて。
私たちにも「こうしたらもっと給料がよくなるんじゃない?」って提案してくれて。
本当にスタッフ一人ひとりのことを、めちゃくちゃ考えてくれている実感があります。
目標としてあとはもうひとつ、接客力や技術力の向上ももちろん大事ですが、「お客様に好かれるようなアイリスト」という人間性を育んでいくことは、今後の教育面でも力を入れていきたいところではあります。
今いる後輩たちには、「この人にお願いしたい」と言ってもらえるアイリストにぜひ、成長して欲しいです。
私は、子どもが成人するまで、そしてその後も、美容業界で働くママとして、どこまでやれるのか挑戦してみたいです。
技術面や接客面でのレベルアップも大切にはしたいですが、「働きかた」の面で、いい前例を作りたいなという思いもあります。
これから先、私みたいに産休後にパートで働く人も増えてくると思います。
家庭に重きを置きたい人、できる限り仕事をして稼ぎたい人、いろんな人がいると思うんですが、どんな境遇の人でも自分らしく働けるように、いろいろな働きかたの可能性を広げられるような、いい基準や前例をつくっていけたら理想です。
人生のライフステージが変わっても美容の世界で働き続けたい、と奮闘する人たちと一緒に、どんなことができるのかを考えながら、私としても彼女たちの一番の理解者でいたいなと思っています。